スキムミルクは、ホエイプロテインより安く購入できることもあり、筋トレ用のたんぱく質補給に使えないかと考える人もいるのではないでしょうか。
牛乳から脂肪分を取り除いたスキムミルクには、たんぱく質やカルシウムが含まれています。そのため、普段の食事に栄養を追加する食品として活用できます。
しかし、スキムミルクをプロテインの代わりに使う場合には、いくつかのデメリットがあります。
特に注意したいのは、一般的なホエイプロテインと比べてたんぱく質含有率が低く、同じ量のたんぱく質を摂取するためには多くの粉末が必要になることです。
私は筋トレを10年以上続ける中で、ホエイプロテインやソイプロテインなどを試してきました。ただし、スキムミルクを筋トレ用のプロテインとして継続使用した経験はありません。
この記事では、通常のスキムミルク(脱脂粉乳)をプロテイン代わりに使う場合のデメリットと、向いている人・向いていない人を解説します。
- スキムミルクをプロテイン代わりにする7つのデメリット
- ホエイプロテインとのたんぱく質量やコスパの違い
- 筋トレや増量にスキムミルクを活用する方法
- 乳糖不耐症や牛乳アレルギーなどの注意点
スキムミルクをプロテイン代わりにする7つのデメリット
スキムミルクは牛乳由来の栄養を補給できる食品ですが、たんぱく質を効率的に摂取する目的では、ホエイプロテインに劣る部分があります。まずは、代表的な7つのデメリットを確認していきましょう。
デメリット①たんぱく質含有率がホエイプロテインより低い
スキムミルクをプロテイン代わりにする最大のデメリットは、粉末に含まれるたんぱく質の割合が低いことです。
一般的なスキムミルク(脱脂粉乳)のたんぱく質含有率は約34%前後です。一方、ホエイプロテインは商品や製法によって異なりますが、約70〜90%以上のものが多く販売されています。
例えば、粉末30gを摂取した場合のたんぱく質量を比較すると、以下のようになります。
| 比較項目 | スキムミルク | ホエイプロテイン |
|---|---|---|
| 粉末量 | 30g | 30g |
| たんぱく質含有率の例 | 34% | 80% |
| 摂取できるたんぱく質 | 10.2g | 24g |
この例では、同じ30gの粉末でも、ホエイプロテインの方が約2.4倍のたんぱく質を摂取できます。
もちろん、スキムミルクのたんぱく質が筋肉づくりに役立たないわけではありません。スキムミルクにはホエイとカゼインの両方が含まれ、必須アミノ酸も摂取できます。
しかし、少ない粉末量で多くのたんぱく質を補給したい人には、ホエイプロテインの方が使いやすいと考えられます。
なお、「スキムミルクプロテイン」という名称で販売される商品が、通常の脱脂粉乳と同じ成分とは限りません。乳たんぱくを濃縮した商品もあるため、購入前に栄養成分表示を確認しましょう。
デメリット②乳糖が多く、お腹がゆるくなる場合がある
スキムミルクには、牛乳由来の乳糖が多く含まれています。
乳糖は牛乳に含まれる糖質の一種で、消化するためにはラクターゼという酵素が必要です。
ラクターゼの働きが十分でない人が乳糖を多く摂取すると、お腹の張り、腹痛、ガス、下痢などの症状が現れることがあります。これを乳糖不耐症といいます。
通常の脱脂粉乳では、粉末重量の約半分が炭水化物で、その多くを乳糖が占めます。
例えば、スキムミルクを60g使用すると、商品によっては約30g前後の乳糖を摂取することになります。
たんぱく質を多く摂取しようとして粉末量を増やすほど、乳糖の摂取量も増える点に注意が必要です。
乳糖不耐症と牛乳アレルギーは別のもの
乳糖不耐症は乳糖を十分に消化できない状態ですが、牛乳アレルギーは牛乳に含まれるたんぱく質に対する免疫反応です。
牛乳アレルギーがある場合、スキムミルクだけでなくホエイプロテインも原因となる可能性があります。自己判断で代替品として使用しないでください。
お腹が弱い人や牛乳を飲むと下痢をしやすい人は、スキムミルクを大量に飲む方法が合わない可能性があります。
デメリット③たんぱく質を増やすと糖質やカロリーも増える
スキムミルクは脂肪分が少ない食品ですが、糖質やカロリーが少ないとは限りません。
通常の脱脂粉乳には、たんぱく質に加えて乳糖由来の炭水化物が含まれています。
例えば、たんぱく質20gを摂取するために必要な粉末量を比較してみましょう。
| 比較項目 | スキムミルク | ホエイプロテイン |
|---|---|---|
| たんぱく質含有率の例 | 34% | 80% |
| たんぱく質20gに必要な粉末量 | 約59g | 25g |
| 炭水化物量の例 | 約31g | 約2g |
| エネルギー量の例 | 約210kcal | 約100kcal |
数値は、スキムミルクの炭水化物含有率を約53%、エネルギーを100g当たり約360kcal、ホエイプロテインを炭水化物8%、100g当たり400kcalと仮定した計算例です。実際の数値は商品によって異なります。
この例では、同じ20gのたんぱく質を摂取する場合、スキムミルクの方が炭水化物とエネルギーの摂取量が多くなります。
増量中でエネルギーを補給したい人にとっては、必ずしもデメリットとは限りません。
しかし、摂取カロリーや糖質量を管理したい人にとっては、注意したいポイントです。
スキムミルクは「低脂肪」ですが、「低糖質」や「低カロリー」と同じ意味ではありません。
デメリット④たんぱく質当たりのコスパが悪いこともある
スキムミルクはホエイプロテインよりも安い価格で販売されていることがあります。
ただし、粉末100g当たりの価格が安くても、たんぱく質当たりの価格まで安いとは限りません。
例えば、以下のような仮の価格で比較します。
| 比較項目 | スキムミルク | ホエイプロテイン |
|---|---|---|
| 粉末100gの価格 | 150円 | 300円 |
| たんぱく質含有率 | 34% | 80% |
| たんぱく質20gに必要な量 | 約59g | 25g |
| たんぱく質20g当たりの費用 | 約88円 | 75円 |
これは計算方法を示すための仮定であり、現在の販売価格を調査したものではありません。
この例では、スキムミルクの粉末価格はホエイプロテインの半額ですが、たんぱく質20g当たりの費用ではホエイプロテインの方が安くなります。
もちろん、実際の価格によってはスキムミルクの方が安くなる場合もあります。
コスパの計算方法
たんぱく質20g当たりの費用 = 粉末1g当たりの価格 ×(20 ÷ たんぱく質含有率)
※たんぱく質含有率は34%なら0.34、80%なら0.80として計算します。
価格を比較する際は、「1袋いくらか」ではなく「たんぱく質20gを摂取するのにいくらかかるか」を確認すると判断しやすくなります。
デメリット⑤大量に飲むと粉末量や水分量が負担になる
スキムミルクは、たんぱく質含有率が低い分、ホエイプロテインと同じ量のたんぱく質を摂取するには多くの粉末が必要です。
例えば、たんぱく質30gをスキムミルクだけで摂取しようとすると、たんぱく質含有率34%の場合、約88gの粉末が必要になります。
これは一般的なホエイプロテインの1回分よりかなり多い量です。
粉末量が増えると、溶かすために使う水や牛乳の量を調整する必要があり、飲み物の濃さや口当たりも変わります。
また、乳糖の摂取量も増えるため、人によっては一度に飲むことが負担になるかもしれません。
私自身、もともと食が細く、増量のために食事量を確保することに苦労してきました。
スキムミルクをプロテイン代わりに継続使用した経験はありませんが、食が細い人にとって、一度に多くの粉末を飲む方法が続けやすいとは限らないと考えています。
少量で効率的にたんぱく質を補給したい場合は、ホエイプロテインなどの高たんぱく製品や、卵・肉・魚・大豆製品といった食品も含めて検討するとよいでしょう。
デメリット⑥ホエイプロテインと吸収特性が異なる
ホエイプロテインとスキムミルクでは、含まれるたんぱく質の種類が異なります。
牛乳のたんぱく質は、大まかにカゼイン約80%、ホエイ約20%という構成です。
通常のスキムミルクも、この両方を含んでいます。
一方、ホエイプロテインは乳清由来のたんぱく質を主成分としています。
ホエイは比較的速く消化吸収される特徴があり、カゼインは胃の中で凝集しやすく、比較的ゆっくり消化されるとされています。
そのため、スキムミルクとホエイプロテインでは、摂取後のアミノ酸供給のパターンが異なります。
ただし、吸収が遅いこと自体が筋肉づくりのデメリットになるわけではありません。
カゼインも必須アミノ酸を含む良質なたんぱく質です。トレーニング後にホエイプロテイン以外を摂取したからといって、筋トレの効果がなくなるわけではありません。
筋肥大を目指す場合は、吸収速度だけでなく、1日全体のたんぱく質摂取量やトレーニング内容を重視することが大切です。
デメリット⑦牛乳アレルギーがある人は使用できない
スキムミルクは牛乳由来の食品なので、牛乳アレルギーがある人には適していません。
脂肪分を取り除いていても、アレルギーの原因となる乳たんぱく質は残っています。
また、ホエイプロテインも牛乳由来であるため、牛乳アレルギーがある人にとって安全な代替品とはいえません。
私自身、以前ホエイプロテインを飲んだ後にかゆみを感じたことがあり、現在は使用していません。
ただし、かゆみの原因がホエイプロテインだったと医療機関で確認されたわけではありません。そのため、私の経験だけでホエイプロテインが原因だったとは断定できません。
アレルギーが疑われる場合の注意
牛乳由来の食品を摂取した後に、じんましん、かゆみ、腹痛などが繰り返し現れる場合は、自己判断で摂取を続けず、医療機関に相談してください。
呼吸困難や喉の締め付け、意識が遠のくなどの症状がある場合は、緊急の対応が必要です。
スキムミルクを選ぶ際は、たんぱく質量や価格だけでなく、自分の体質に合っているかも確認しましょう。
スキムミルクのデメリットを踏まえたプロテインとの使い分け
ここまで7つのデメリットを紹介しましたが、スキムミルクが筋トレに向いていない食品というわけではありません。使う目的を明確にすれば、日常の栄養補給にも活用できます。
スキムミルクとホエイプロテインはどちらが筋トレ向き?
筋トレをしている人が、少ない粉末量でたんぱく質を補給したいなら、一般的にはホエイプロテインの方が便利です。
一方、スキムミルクは、たんぱく質に加えてカルシウムなどの栄養素も摂取できる点が特徴です。
| 比較項目 | スキムミルク | ホエイプロテイン |
|---|---|---|
| たんぱく質含有率 | 約34%前後 | 約70〜90%以上 |
| 主なたんぱく質 | カゼイン+ホエイ | ホエイ |
| 乳糖 | 比較的多い | 製法によって異なる |
| カルシウム | 比較的豊富 | 製品によって異なる |
| 料理への利用 | 幅広く使える | 商品によって使える |
| 向いている用途 | 食事の栄養補給 | 効率的なたんぱく質補給 |
どちらを選ぶ場合でも、たんぱく質を十分に摂取できているかが重要です。
筋トレを継続する成人では、1日当たり体重1kgにつき約1.4〜2.0gのたんぱく質摂取量が一つの参考範囲として示されています。
ただし、必要量は運動量や健康状態によって異なります。腎疾患などがある人は、医師や管理栄養士の指示を優先してください。
また、スキムミルクとホエイプロテインは、必ずどちらか一方だけを選ぶ必要はありません。食事全体のバランスに応じて使い分けることもできます。
スキムミルクをプロテイン代わりに飲む場合の量と注意点
スキムミルクをたんぱく質補給に利用する場合は、まず栄養成分表示を確認しましょう。
例えば、たんぱく質含有率34%の商品なら、粉末20gで約6.8g、30gで約10.2gのたんぱく質を摂取できます。
| スキムミルクの粉末量 | たんぱく質量の目安 |
|---|---|
| 10g | 約3.4g |
| 20g | 約6.8g |
| 30g | 約10.2g |
| 50g | 約17g |
| 60g | 約20.4g |
ただし、表はたんぱく質含有率34%で計算した目安であり、すべての商品に当てはまるわけではありません。
また、50〜60gのスキムミルクを一度に飲む必要があるわけではありません。
たんぱく質は普段の食事からも摂取できるため、スキムミルクだけで必要量を補おうとする必要はないからです。
特に乳糖不耐症がある人は、少量でも症状が出る場合があります。体調に不安がある場合は無理に試さず、医療機関に相談してください。
飲む場合は製品に記載された作り方や保存方法を守り、作り置きした飲料を長時間常温に放置しないようにしましょう。
スキムミルクが向いている人・向いていない人
スキムミルクは、筋トレをしているすべての人におすすめできる食品というわけではありません。
目的や食生活によって、向いている人と向いていない人が分かれます。
スキムミルクが向いている人
- 日常の食事にたんぱく質やカルシウムを追加したい人
- 飲み物だけでなく料理にも利用したい人
- 乳糖を含む乳製品を問題なく摂取できる人
- たんぱく質だけでなくエネルギーも補給したい人
スキムミルクが向いていない人
- 少ない粉末量で多くのたんぱく質を摂取したい人
- 乳糖不耐症でお腹の不調が起こりやすい人
- 糖質量をできるだけ抑えたい人
- 牛乳アレルギーがある人
私の場合、ホエイプロテインを使用していた時期にかゆみを感じた経験があるため、牛乳由来のたんぱく質を安易に置き換えて試すことは避けたいと考えています。
ただし、これは私自身の経験に基づく考えであり、すべての人に当てはまるものではありません。
スキムミルクを選ぶ場合も、商品名だけで判断せず、原材料や栄養成分、体質との相性を確認することが大切です。
スキムミルクをプロテイン代わりにするデメリットのまとめ
スキムミルクは、たんぱく質やカルシウムを補給できる便利な食品ですが、ホエイプロテインの代わりに使う場合には注意点があります。
特に大きなデメリットは、たんぱく質含有率が低く、同じ量のたんぱく質を摂取するためには多くの粉末が必要になることです。
その結果、乳糖や炭水化物、カロリーの摂取量が増えたり、たんぱく質当たりのコストが高くなったりする場合があります。
また、乳糖不耐症や牛乳アレルギーがある人は、体質との相性にも注意が必要です。
一方、スキムミルクにはカルシウムなどの栄養素が含まれ、料理にも使いやすいというメリットがあります。
筋トレ目的で効率的にたんぱく質を補いたいならホエイプロテイン、日常の食事に乳製品の栄養を追加したいならスキムミルクという使い分けが一つの目安です。
ただし、ホエイプロテインが体質に合わない人もいます。牛乳アレルギーが疑われる場合は、スキムミルクへの自己判断での切り替えを避けてください。
自分に必要なたんぱく質量や食事内容を確認し、無理なく続けられる方法を選びましょう。