ソイプロテインを飲んでいると、気になる成分の一つが大豆イソフラボンではないでしょうか。
「ソイプロテイン1杯にイソフラボンは何mg含まれているの?」「毎日飲むと摂りすぎになる?」「男性が飲んでも問題ない?」と疑問に感じる人もいると思います。
ソイプロテインは大豆から作られますが、イソフラボンの含有量は商品によって異なります。たんぱく質含有率が高いからといって、イソフラボンも必ず多いわけではありません。
また、食品安全委員会が示している大豆イソフラボンの摂取目安についても、通常の大豆食品とサプリメントを区別して理解する必要があります。
この記事では、ソイプロテインのイソフラボン含有量の考え方や確認方法、摂取目安、男性ホルモンとの関係まで詳しく解説します。
- ソイプロテイン1杯に含まれるイソフラボン量の考え方
- イソフラボン含有量を商品表示から計算する方法
- 豆乳・納豆・豆腐などの大豆食品との比較
- 摂りすぎの注意点や男性ホルモンへの影響
ソイプロテインのイソフラボン含有量はどのくらい?
ソイプロテインのイソフラボン含有量を調べる際に、まず知っておきたいのは、すべての商品に共通する数値がないことです。原料となる大豆の種類や製造方法によって含有量が変わるため、正確に把握するには商品の表示やメーカー情報を確認する必要があります。
ソイプロテイン1杯のイソフラボン含有量は商品によって違う
ソイプロテインは、大豆からたんぱく質を濃縮・分離して作られる食品です。
大豆にはイソフラボンが含まれていますが、ソイプロテインの製造工程では、たんぱく質以外の成分も取り除かれます。
そのため、完成した粉末にどの程度のイソフラボンが残っているかは、原料や製法によって異なります。
特に、濃縮大豆たんぱく(SPC)と分離大豆たんぱく(SPI)では、製造方法が異なります。
SPCでは糖類などを取り除く工程があり、SPIではたんぱく質を抽出・分離する工程があります。こうした処理によって、イソフラボンの残存量が変わる場合があります。
ただし、SPCなら必ずイソフラボンが多い、SPIなら必ず少ないと決めつけることはできません。
ソイプロテイン1杯のイソフラボン含有量は、商品ごとの分析値を確認しないと正確には分かりません。
また、一般的な栄養成分表示には、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などが記載されていますが、イソフラボンの含有量が必ず表示されているわけではありません。
イソフラボン量が記載されていない商品については、たんぱく質含有量から推測することも難しいため、メーカーに確認する方法が確実です。
イソフラボン含有量を調べるポイント
- 商品に大豆イソフラボン含有量が表示されているか
- 表示量は粉末100g当たりか1食当たりか
- 数値はアグリコン換算か配糖体を含む総量か
- 原料や製造方法についてメーカーが情報を公開しているか
ソイプロテインだからイソフラボンが必ず多いとは限らず、商品ごとの確認が必要です。
イソフラボン含有量の計算方法|粉末20g・30gでは何mg?
ソイプロテインのイソフラボン含有量が表示されている場合は、実際に飲む粉末量から摂取量を計算できます。
例えば、商品に「粉末100g当たり大豆イソフラボン100mg」と表示されていたとします。
この場合、粉末20gでは20mg、30gでは30mgのイソフラボンを摂取する計算になります。
| 粉末の摂取量 | イソフラボン含有量の計算例 |
|---|---|
| 10g | 10mg |
| 20g | 20mg |
| 25g | 25mg |
| 30g | 30mg |
| 40g | 40mg |
※上記は「粉末100g当たりイソフラボン100mg」という仮定で計算した例です。一般的なソイプロテインの平均含有量や、特定商品の実測値を示したものではありません。
計算式は以下のとおりです。
イソフラボン摂取量の計算式
1回のイソフラボン摂取量(mg)= 100g当たりの含有量(mg)× 飲む粉末量(g)÷ 100
例えば、1回25gを1日2回飲む場合は、粉末の合計量が50gになります。
100g当たり100mgの製品であれば、1日当たり50mgのイソフラボンを摂取する計算です。
ただし、商品によっては「1食分当たり」と表示されている場合もあります。
また、イソフラボンには複数の化学的な形があり、表示方法によって数値の意味が異なることがあります。
そのため、計算するときは単位だけでなく、表示されているイソフラボンの種類や換算方法も確認しましょう。
アグリコン換算とは?イソフラボンの表示単位に注意
大豆イソフラボンの含有量を比較する際に、知っておきたい言葉が「アグリコン換算」です。
大豆イソフラボンには、糖が結合した配糖体と、糖が結合していないアグリコンなどの形があります。
代表的なイソフラボンには、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインなどがあります。
食品中では配糖体として存在するものも多く、摂取後の消化過程で糖の部分が外れることがあります。
アグリコン換算とは、こうしたイソフラボンの量をアグリコンの重量に換算して表す方法です。
食品安全委員会が示している大豆イソフラボンの摂取目安も、アグリコン換算値が基準になっています。
例えば、商品に「大豆イソフラボン50mg」と書かれていても、それが配糖体を含む総量なのか、アグリコン換算で50mgなのかによって意味が異なります。
表示量をそのまま比較しない
「大豆イソフラボン50mg」と「大豆イソフラボンアグリコン50mg」は、必ずしも同じ量を意味しません。
摂取目安と比較する際は、アグリコン換算値であることを確認してください。
もし商品にアグリコン換算値が表示されていない場合は、自己判断で一律の係数を掛けるより、メーカーが公開している換算値を確認する方が確実です。
特に、複数のソイプロテインや大豆イソフラボン配合サプリメントを併用している人は、表示単位の違いに注意しましょう。
豆乳・納豆・豆腐とソイプロテインのイソフラボン量を比較
ソイプロテイン以外にも、イソフラボンは豆乳や納豆、豆腐、きな粉などの大豆食品に含まれています。
ただし、同じ大豆由来でも、食品の種類や製造方法によって含有量は異なります。
食品安全委員会が公表している食品別の大豆イソフラボン含有量のデータでは、食品100g当たりのアグリコン換算値として、次のような平均値が示されています。
| 食品 | 100g当たりのイソフラボン量の目安 |
|---|---|
| 大豆(乾燥) | 約140mg |
| きな粉 | 約266mg |
| 納豆 | 約74mg |
| 豆腐 | 約20mg |
| 豆乳 | 約25mg |
| ソイプロテイン | 商品によって異なるため一律の値は示せない |
※大豆食品の数値は、食品安全委員会が公表した食品別含有量データの平均値を参考にした概数です。アグリコン換算値であり、個別商品の含有量を保証するものではありません。
例えば、上記の平均値を使うと、納豆1パック50gでは約37mg、豆乳200gでは約50mgのイソフラボンを摂取する計算になります。
ただし、実際の含有量は原料大豆の品種や製造方法、商品によって変わります。
ソイプロテインの場合は、製造工程でイソフラボンが減少することもあるため、きな粉や大豆そのものの数値を当てはめることはできません。
ソイプロテインのイソフラボン含有量を知りたい場合は、通常の大豆食品の平均値ではなく、商品の分析値を優先しましょう。
イソフラボン含有量は製造方法や原料によって変わる
ソイプロテインのイソフラボン含有量に差が生じる理由の一つが、製造方法の違いです。
ソイプロテインの原料には、濃縮大豆たんぱく(SPC)や分離大豆たんぱく(SPI)などがあります。
SPCは、脱脂大豆から糖類などを取り除き、たんぱく質の割合を高めたものです。
一方、SPIは大豆からたんぱく質を抽出・分離し、さらに高純度にした原料です。
製造工程では、水やアルコール、酸・アルカリなどを利用する方法があり、その過程でイソフラボンの一部が除去される場合があります。
特に、含水アルコールを使用する工程では、イソフラボンの残存量が変化することがあります。
ただし、製造方法の名称だけで最終的なイソフラボン含有量を正確に判断することはできません。
同じSPIでも、原料大豆の品種、製造条件、精製方法などによって含有量が異なる可能性があります。
また、完成したソイプロテイン商品には、香料や甘味料、ビタミンなどが配合される場合があります。
そのため、原料としての大豆たんぱく質の含有量と、完成した粉末全体のイソフラボン含有量も区別する必要があります。
製造方法だけでは含有量を断定できない
「分離大豆たんぱくを使用しているからイソフラボンは少ない」「濃縮大豆たんぱくだから多い」といった判断は、必ずしも正確ではありません。
実際の含有量を知るには、製品ごとの分析値やメーカー情報が必要です。
ソイプロテインのイソフラボン含有量と摂取目安・注意点
ソイプロテインに含まれるイソフラボン量を確認したら、次に気になるのが1日の摂取目安です。ただし、食品安全委員会が示している数値は、通常の大豆食品を一律に制限するためのものではありません。数値の意味を理解して判断することが大切です。
1日70〜75mgは上限?食品安全委員会の目安を正しく理解
大豆イソフラボンについて調べると、「1日70〜75mg」という数値を見かけることがあります。
これは、食品安全委員会が2006年に示した、大豆イソフラボンアグリコンの安全な1日摂取目安量の上限値です。
成人を対象に、70〜75mg/日という範囲が示されています。
また、特定保健用食品などで通常の食事に上乗せして摂取する場合については、アグリコン換算で30mg/日という目安も示されています。
ここで注意したいのは、これらの数値の意味です。
食品安全委員会の評価は、特定保健用食品などから大豆イソフラボンを追加的に摂取する場合の安全性を検討したものです。
そのため、通常の大豆食品を含む1日の摂取量が75mgを超えたら、直ちに健康被害が起こるという意味ではありません。
また、70〜75mgは健康効果を得るために毎日摂取すべき推奨量でもありません。
| 数値 | 意味 |
|---|---|
| 70〜75mg/日 | 成人の大豆イソフラボンアグリコンの安全な1日摂取目安量の上限値 |
| 30mg/日 | 特定保健用食品などで通常の食事に上乗せする場合の目安 |
※いずれもアグリコン換算値です。数値の対象や適用範囲については、食品安全委員会の評価内容を確認してください。
ソイプロテインは一般的な食品として販売される商品も多く、すべてを高濃度イソフラボンサプリメントと同じように扱うことは適切ではありません。
ただし、イソフラボンを多く含む製品を複数併用する場合は、合計摂取量に注意する必要があります。
特に、イソフラボンを強化したサプリメントや健康食品を使用する場合は、商品に記載された摂取目安を守りましょう。
ソイプロテインを1日2〜3回飲むと摂りすぎになる?
ソイプロテインを1日2〜3回飲むと、イソフラボンを摂りすぎるのではないかと心配する人もいるでしょう。
しかし、飲む回数だけでは摂りすぎかどうか判断できません。
例えば、1杯当たりのイソフラボン含有量が5mgの商品と30mgの商品では、同じ3杯でも摂取量が大きく異なります。
| 1杯当たりの含有量 | 1日1杯 | 1日2杯 | 1日3杯 |
|---|---|---|---|
| 5mg | 5mg | 10mg | 15mg |
| 15mg | 15mg | 30mg | 45mg |
| 30mg | 30mg | 60mg | 90mg |
※数値は計算例であり、市販ソイプロテインの代表的な含有量を示すものではありません。比較する場合はアグリコン換算値にそろえる必要があります。
このように、同じ回数でも商品によって摂取量は変わります。
さらに、普段の食事で納豆や豆腐、豆乳などを摂取している場合は、そこからもイソフラボンを摂取しています。
ただし、通常の大豆食品から摂取するイソフラボンと、高濃度に強化されたサプリメントから追加摂取するイソフラボンは、食品安全委員会の評価でも区別されています。
そのため、単純にすべてを合計して75mgを超えたら危険と判断するのではなく、摂取している製品の種類や量を確認することが大切です。
ソイプロテインを何杯飲むかより、1杯当たりのイソフラボン量と、ほかに併用している製品を確認しましょう。
男性がソイプロテインを飲むとテストステロンは下がる?
ソイプロテインに含まれるイソフラボンについて、男性ホルモンへの影響を心配する人もいると思います。
大豆イソフラボンは、体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を示すことがあるためです。
しかし、エストロゲンに似た作用があることと、男性のテストステロンを必ず低下させることは同じではありません。
例えば、Reedらが2021年に発表したメタ分析では、大豆たんぱく質やイソフラボンの摂取が男性の性ホルモンに与える影響を検討しています。
この研究では、解析対象となった試験において、総テストステロン、遊離テストステロン、エストラジオールなどに有意な影響は認められませんでした。
そのため、通常の大豆食品やソイプロテインを摂取しただけで、男性ホルモンが低下して筋肉がつかなくなると考える根拠は十分ではありません。
ただし、研究には対象者や摂取量、期間などの限界があります。極端に大量の摂取まで安全性が確認されたという意味ではありません。
また、筋肥大にはテストステロンだけでなく、トレーニング内容や食事、睡眠など多くの要素が関わります。
男性が知っておきたいポイント
- イソフラボンにはエストロゲンに似た作用がある
- 通常の大豆摂取で男性ホルモンが一貫して低下するという明確な根拠はない
- 高濃度イソフラボン製品の大量摂取は通常の食品摂取と区別する
- 筋肥大はプロテインの種類だけで決まらない
男性だからソイプロテインを避ける必要があるとはいえませんが、イソフラボンを高濃度に含む製品を複数使用する場合は、摂取量を確認するとよいでしょう。
女性・妊娠中・子どもはイソフラボンの摂取量に注意
大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た作用を示す場合があるため、女性や妊娠中の人、子どもについても注意点があります。
食品安全委員会は、妊婦や胎児、乳幼児、小児について、特定保健用食品などから大豆イソフラボンを通常の食事に上乗せして摂取することを推奨していません。
これは、豆腐や納豆、豆乳などの通常の大豆食品を食べてはいけないという意味ではありません。
大豆食品は日常的な食事の一部として利用されており、通常の食品と、イソフラボンを濃縮・強化した製品は区別して考える必要があります。
また、女性でも、ホルモンに関係する病気の治療を受けている場合などは、イソフラボンを高濃度に含むサプリメントの使用について医療者に相談した方がよい場合があります。
特に注意したいケース
- 妊娠中や授乳中に高濃度イソフラボン製品を利用する場合
- 乳幼児や子どもに大豆イソフラボン強化食品を与える場合
- ホルモンに関係する疾患で治療を受けている場合
- 複数のイソフラボンサプリメントを併用している場合
体調や治療状況によって判断が異なるため、不安がある場合は医師や管理栄養士に相談しましょう。
イソフラボン含有量が分からないソイプロテインの選び方
市販のソイプロテインには、イソフラボン含有量が記載されていない商品もあります。
その場合、含有量がゼロという意味ではありません。
また、原材料名に「分離大豆たんぱく」と記載されていても、それだけでイソフラボン量を正確に推定することはできません。
イソフラボンの摂取量を管理したい場合は、メーカーが分析値を公開している商品を選ぶと比較しやすくなります。
私自身、以前ソイプロテインを使用していたときは、原料の産地なども気にしていました。
ただし、原料の産地だけでイソフラボン含有量や安全性が決まるわけではありません。
現在はソイプロテインを飲んでいませんが、もし改めて選ぶのであれば、原材料や栄養成分、メーカーが公開している品質管理情報を確認したいと考えています。
購入前のチェックポイント
- イソフラボン含有量が公開されているか
- アグリコン換算値かどうか明記されているか
- 1食当たりのたんぱく質量が十分か
- イソフラボン強化成分が追加されていないか
- メーカーの原料情報や品質管理情報が確認できるか
イソフラボン含有量が表示されていない場合は、メーカーに問い合わせる方法もあります。
ただし、メーカーによっては製品ごとの分析値を公開していないこともあります。その場合は、正確な含有量が不明であることを前提に判断しましょう。
まとめ|ソイプロテインのイソフラボン含有量は商品ごとに確認しよう
ソイプロテインのイソフラボン含有量は、原料となる大豆の種類や製造方法、商品の配合によって異なります。
そのため、すべてのソイプロテインについて「1杯当たり何mg」と一律に示すことはできません。
正確な含有量を知りたい場合は、商品の栄養成分表示やメーカーが公開している分析値を確認しましょう。
また、イソフラボンの含有量を比較する際は、アグリコン換算値かどうかも重要です。
食品安全委員会が示している70〜75mg/日という数値は、成人における安全な1日摂取目安量の上限値であり、健康効果を得るための推奨量ではありません。
さらに、特定保健用食品などから通常の食事に上乗せして摂取する場合には、30mg/日という目安も示されています。
ただし、通常の大豆食品を含む摂取量が75mgを超えたら、直ちに健康被害が起こるという意味ではありません。
男性ホルモンへの影響についても、通常の大豆摂取でテストステロンが一貫して低下するという明確な根拠はありません。
ソイプロテインを選ぶ際は、たんぱく質量だけでなく、イソフラボン含有量・表示単位・併用している食品やサプリメントを確認することが大切です。
特にイソフラボンを高濃度に含む製品を使用する場合は、摂取目安を守り、必要に応じて医療者に相談しましょう。