結論
クレアチンは、筋力・筋肉量の向上、疲労回復、認知機能の向上など多くのメリットがあります。特に、アスリートやトレーニングを行う人にとって有益なサプリメントです。
安全性と副作用
適量(1日3~5g)での摂取は安全とされていますが、過剰摂取すると消化不良や水分貯留による体重増加が起こることがあります。また、腎機能が低下している人は医師に相談してから摂取するべきです。
クレアチンの効果
1. 筋力とパフォーマンスの向上
クレアチンは、ATP(アデノシン三リン酸)を素早く再生するのを助け、短時間の高強度運動(ウエイトリフティング、スプリントなど)のパフォーマンス向上に役立ちます。
2. 筋肉量の増加
クレアチンは筋細胞内の水分量を増やし、筋肉のボリュームを増加させる効果があります。また、タンパク質合成を促進し、筋肥大を助けるとされています。
3. 疲労回復の促進
クレアチンは筋肉のエネルギー貯蔵を増やし、筋肉疲労の回復を早めることができます。特に、激しいトレーニング後のリカバリーを早めることが報告されています。
4. 認知機能の向上
脳でもATPがエネルギー源として使われるため、クレアチンは認知機能のサポートにも効果があると考えられています。特に、睡眠不足時や高齢者において、認知機能を維持する可能性があります。
5. 加齢による筋力低下の抑制
加齢に伴い筋力が低下しますが、クレアチン補給によって筋肉量と筋力を維持する効果が期待されています。特に高齢者にとって、転倒予防や日常生活の活動性向上につながる可能性があります。
クレアチンの摂取タイミング
クレアチンの摂取タイミングについてはさまざまな研究がありますが、特に効果的とされるのは 「運動後」 です。
-
運動後:筋肉が栄養を吸収しやすい状態のため、クレアチンを筋肉に効率よく取り込めます。
-
運動前:ATP供給のサポートとして有効ですが、運動後の方が吸収が良いという研究が多いです。
-
食事と一緒に摂取:インスリン分泌を促す炭水化物やタンパク質と一緒に摂取すると吸収率が向上します。
クレアチンの最適な摂取量
一般的な摂取方法は以下の2通りです。
ローディングフェーズを行う方法
最初の5~7日間、クレアチンの筋肉内濃度を急速に高めるために 1日20g(4回に分けて5gずつ) を摂取。その後、1日3~5g に減らして維持する。
-
メリット:筋肉内クレアチン濃度を短期間で高め、効果をすぐに実感しやすい。
-
デメリット:一部の人は胃の不快感や下痢を感じることがある。
ローディングなしの方法
最初から 1日3~5g を摂取し続ける方法。1カ月程度で筋肉内のクレアチン濃度が最大になります。
-
メリット:消化器系の不調が起こりにくい。
-
デメリット:効果を実感するまでに時間がかかる。
クレアチンの溶かし方
クレアチンは水に溶けにくいため、以下の方法がオススメです。
-
温かい飲み物(ぬるま湯など)に溶かす → 冷水よりも溶けやすい
-
ジュースやプロテインと混ぜる → 炭水化物がクレアチンの吸収を促進
-
シェイカーで振る → 均一に混ざりやすくなる
私は、粉末のクレアチン(ノンフレーバー)をジュースやプロテインを含んだ口にビルダー飲みをしています。
クレアチンを継続摂取する重要性
クレアチンは「毎日継続的に摂取すること」が大切です。
摂取を止めると、体内のクレアチン濃度は徐々に低下し、約1カ月で元のレベルに戻ります。
-
トレーニングをしない日でも3~5g摂取するのが理想
-
長期間の使用も問題なし(健康な人が適量を摂取する場合、副作用のリスクは低い)
クレアチンが筋肉痛を減らす理由
-
炎症の抑制
-
激しいトレーニング後、筋肉は炎症を起こし、それが筋肉痛(遅発性筋痛:DOMS)の原因になります。
-
クレアチンは 抗炎症作用 を持ち、筋損傷による炎症を軽減する可能性があります。
-
-
細胞の水分量を増やし、筋損傷を軽減
-
クレアチンは筋細胞内の水分量を増やし、筋肉を保護 する働きがあります。
-
これにより、トレーニング中のダメージが軽減され、結果として筋肉痛が軽くなる可能性があります。
-
-
ATPの回復促進
-
クレアチンはATP(細胞のエネルギー源)の再生を助け、筋肉の回復を早めます。
-
これにより、筋肉痛の原因となる微細な損傷の修復が促進されます。
-
-
抗酸化作用
-
トレーニングによる 酸化ストレス(フリーラジカルの増加)は筋肉痛の原因になります。
-
クレアチンは抗酸化作用を持ち、細胞の損傷を防ぐ可能性があります。
-
クレアチンが筋肥大を促進する理由
-
トレーニングのパフォーマンス向上
-
クレアチンはATP(アデノシン三リン酸)の再生を助け、高強度トレーニングを長く続ける ことが可能になります。
-
これにより、より重い重量を扱えるようになり、筋肉への負荷が増加 → 筋肥大につながる。
-
-
筋細胞の水分量増加(筋容積の拡大)
-
クレアチンは筋細胞内に水分を引き込み、細胞が膨張することで筋肉のサイズが増加。
-
これが「クレアチンを摂取するとすぐに体重が増える」と言われる理由の一つ。
-
-
タンパク質合成の促進
-
クレアチンは筋肉の成長を促す mTOR経路 を活性化し、タンパク質合成をサポート。
-
筋肉の分解を抑える効果 もあり、筋肉量の増加を助ける。
-
-
成長ホルモンやIGF-1の増加
-
クレアチンはIGF-1(インスリン様成長因子-1)の分泌を増加させる可能性があり、筋肥大を促進。
-
-
筋ダメージの回復促進
-
トレーニング後の回復が早まることで、より頻繁に高強度のトレーニングができる → 結果的に筋肥大しやすい。
-
研究結果
-
クレアチンを摂取したグループは、プラセボ(偽薬)を摂取したグループよりも筋肥大の進行が速かった(約2倍の筋肉増加が見られた研究もある)。
-
8~12週間のレジスタンストレーニングと併用すると、除脂肪体重(筋肉量)が有意に増加。
クレアチンだけで筋肥大するのか?
クレアチンは筋肥大をサポートするが、それ単体では筋肉は大きくならない。効果を最大限に活かすには、しっかりとしたトレーニングと食事 が必要。
-
高強度のレジスタンストレーニング(8~12回のレップ数で限界がくる重量)
-
十分なタンパク質摂取(体重×1.5~2.0gのタンパク質)
-
総カロリー摂取が重要(クレアチンは筋肉を増やすが、十分なエネルギーがないと成長しない)
クレアチンと他のサプリメントとの併用
クレアチンの効果を高めるために、以下のサプリメントと併用すると良いです。
-
炭水化物(糖質):インスリンの働きを利用し、クレアチンの吸収を促進
-
ホエイプロテイン:筋肉の成長を助け、クレアチンとの相乗効果が期待できる
-
β-アラニン:持久力向上に効果があり、クレアチンと組み合わせるとさらにパフォーマンス向上が見込める
まとめ
-
運動後 or 食事と一緒に摂取 すると吸収率が高い
-
1日3~5gが基本、短期間で効果を出したいなら ローディング(20g/日×5~7日間) を行う
-
水やジュース、プロテインと混ぜて飲むと吸収が良い
-
毎日継続摂取することが大切
-
炭水化物やプロテインと併用すると効果アップ
- 水分補給をしっかりする
この方法でクレアチンを摂取すれば、筋力・筋肥大・回復力向上のメリットを最大限に活かせます。